2007年12月30日

読んだ後、どうしても、もう一度読み返さずにはいられない本

「ハサミ男 」殊能 将之
を読みました。
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年末でいろんなことで忙しいのに、最近夜遅くまで本を読むことが多いです。
人間、忙しいときは脳内でドーパミンが沢山分泌されて集中力が増すのかもしれない。

ある種のミステリー小説には読んだ後、どうしても、もう一度最初から読み返さなければならない本があります。この「ハサミ男」もそのなかの一つでした。具体的な内容はネタバレになるので一切しませんが、非常に精緻で綿密な構成のミステリーです。
この「ハサミ男 」はほとんど徹夜で一気に読んでしまった。読了したのは夜明け近くだというのに、もう一度最初から読み返したくなってしまう。(睡魔に襲われそのまま寝てしまいましたが・・・。)
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ある種のミステリーとはいわゆる「叙述トリック」のことなのですが、以下はそれを使ったミステリーで、今まで読んだもので特に面白かった本です。

殺戮にいたる病
我孫子 武丸

葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午

アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎

「叙述トリックを使ったミステリー」いうのは構造上、絶対に映画化不可能と思われるのですが、
「ハサミ男 」と「アヒルと鴨のコインロッカー」は映画化されています。見てないですけど。
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2007年09月16日

★家日和(いえびより):その2、家においでよ

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「家日和」家日和と書いていえびよりと読む。
04年「空中ブランコ」で直木賞を受賞した、奥田英朗という作家の短編集。
読書感想、その2

この短編集の3番目の「家においでよ」という短編について。
主人公は奥さんと2人暮らしの30代のサラリーマン、共働きで子供無し。マンション暮らし、ゴルフもギャンブルもしない。酒も付き合い程度、蓄えもある。理由は不明だが、奥さんは家財道具ほとんど持って出て行った。理由は詳しく語られていないが別居することになったらしい。
がらんとした部屋で途方にくれるわけでもなく。家具や電化製品を買い揃えたり、料理を作ったり、なんかとても楽しそうな主人公。実家からコレクションしていたレコードを運んできたり、オーディオセットやホームシアターセットをそろえたり、「男の理想の部屋」を嬉々として作り上げていく。友人も毎日遊びに来て・・・・・。
奥さんと別居することになる話だが、不思議なことに深刻度など微塵も無く、楽しいお話。ああいいなおれもそういうのしたいなと思ってしまいます。
私にとってはこのBLOGがそういうものに近いのかな、なんて思ったり。

2007年09月15日

★家日和(いえびより):奥田英朗を読んだ。

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「家日和」を読んだ。家日和と書いていえびよりと読む。
04年「空中ブランコ」で直木賞を受賞した、奥田英朗という作家の短編集。
表紙の写真は以前このブログでも紹介した本城直季の写真。

最初の「サニーデイ」はヤフオクにハマる40代の主婦を描いた短編。
子供が大きくなって使わなくなってしまったキャンプ用のテーブルをネットオークションで売ったのがきっかけで、しだいにネットオークションにはまっていく。その課程が「なるほど」と共感できる。(ヤフオクのシステムはすごいと思う。人の心理をつかむシステムだと思う。)ひとつ売るごとに生き生きとなっていく主人公。そして、だんなに黙って勝手にしまってあった古いギター(YAMAHAFG180)を売ってしまったら、思わぬお宝で、高値が付き、調子に乗って古いレコードプレイヤーを出品したらこれが・・・・・
というある意味なんてことはない話(オチも含めて)。
私もヤフオクを使いますし、ネットショップもやってます。ネットの向こう側を垣間見たような気がして、興味深く読みました。その他の短編については省略。


2007年07月12日

★リトル・シャーリー・ビーンズを探して

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J.D.サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」の中で、
ホールデンが妹のフィービーにおみやげとして「リトル・シャーリー・ビーンズ」という
題名のレコードを買うのだが、酔っ払って壊してしまう。
「あのね、君にレコードを一枚買ってあげたんだよ。」といって
オーバーのポケットから取り出した「かけら」を見たフィービーは
「そのかけらをちょうだい」「あたし、しまっておくわ」
といって引き出しのなかにしまった。
・・とてもよいシーンである。またこれは象徴的なシーンでもある。
学校を退学になってしまったホールデンと割れたレコードは重なるのである。それでもそれを受容してくれるのはやはり肉親なのだ。暖かく優しい気持ちになれる。ほっとする美しいシーンだ。
この「リトル・シャーリー・ビーンズ」というレコード、本文中ではエステル・フレッチャーという歌手が歌った「前歯が抜けて恥ずかしがって家からでない女の子の事」を歌った古くてレアなレコードということなのだが、どうも実在のレコードではないみたいだ。
一応「Little Shirley Beans」で検索をかけてみたが、Little Shirley Beans Records というNYのインディーレーベルが見つかるかサリンジャー関係のサイトかどちらかで、やはり実在はしないみたいである。エステル・フレッチャーに関しても手がかりはなかった。
「ライ麦~」には固有名詞がたくさん出てくるが実在するものと実在しないものが混在しておりそこが作品を読み解く上での魅力の一つになってるらしい。


・・・・ところが、「割れたレコード」で検索してみたら、意外なものが見つかった。

「ライ麦畑のミステリー」という本
http://www.serica.co.jp/264.htm
その中に気になる記述が・・・

第一章 割れたレコードの救い方
あのレコードは実在していた/レコードの改変されたタイトルに秘められた意味/あの歌手の名前は、フランス語の疑問文/


旧ブログの記事「ライ麦畑でつかまえて」と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」


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