2011年05月31日
風の風伝~小林史佳+須藤雲栄 ライブ in 佐渡 【その1】
新潟から佐渡へ渡るフェリーの上に海を見つめる男性。
彼の名は小林史佳(こばやしふみよし)。
津軽三味線を芸術に高めた、故初代高橋竹山氏の流れをくむ新進気鋭の津軽三味線プレイヤーである。
2011年、5月28日、佐渡市小木のあゆす会館にてライブ演奏・録音をするために彼は佐渡へ渡る。
今回は縁があり、私はこの旅の模様をカメラに収めるために同行することになった。
(もともとTWINSの長谷部氏へのオファーだったお仕事でした。)
当ブログではその模様を全5回にわたってご紹介します。
今回のライブは「風の風伝(ことづて)~あいや節のルーツ佐渡小木港に唄う」
と題し、津軽民謡のレジェンド、初代須藤雲栄(すどうくもえい)氏との共演。
雲栄先生が師である津軽民謡の神様とも呼ばれた成田雲竹氏が残したテープの中のあいや節の中に佐渡おけさのフレーズを発見し、新作古調あいや節として新たに曲を創りました。それはまさに新たなレジェンドの始まりとなるでしょう。
到着後ライブ録音するCDジャケットの撮影のために佐渡小木の名所、矢島・経島へ。
写真はお光の碑(今回ライブで演奏する古調よされ節の元となる物語)にお参りするお二人です。
(以下敬称略)須藤雲栄は高橋竹山と一緒に活動していた津軽民謡の神様とも呼ばれた成田雲竹の最後の弟子にして、高橋竹山とも長きにわたって共演し、高橋竹山の直弟子の高橋栄山の奥様でもいらっしゃいます。その高橋栄山の弟子が小林史佳なのです。
ロックに例えると、ロバート・ジョンソンとウィーリー・ブラウンと共演していたブルースマンとエリック・クラプトンがR・Jの幻の30曲目を録音するために、ミシシッピのクロスロードでライブをする…みたいな、感じで捉えてもらえばよろしいかと。
そういえば、小林さん、クラプトン愛用のアーニーのストラップ付けてます。
撮影は進みます。空模様があやしくなってきたので急がなくてはなりません。
いろんなアングルでたくさん写真を撮ってゆきます。
ポーズを付けるだけではなく演奏してみてはどうかということになり、海に向かって古調よされ節をうたいはじめるお二人。
まるで恋しい人に会うためにたらいで海を渡ろうとして命を落としたお光に向かってうたっているようでした。
やはり、ミュージシャンはポーズを付けているより、演奏しているほうがはるかにかっこいい。観光客と一緒に唄い、踊ります。私の勝手な素人えの感想ですが、竹山流の三味線はまるで唄っているよう、リズム感があり、自然と体が動く。
なんとか、撮影は終了。お疲れさまでした。
初日の宿である「花の木」さんはとても雰囲気のある宿です。
新潟照明技研のスタッフと須藤雲栄先生、小林史佳先生、小林氏の母上の高橋竹育先生。
夕食は佐渡の「かに」がまるごと1匹。おいしゅうございました。
さて、ライブ当日の朝となりました。
空模様はどうかなと心配する小林さん。
出発前に、この宿に宿泊していたドイツ領事様のリクエストで1曲。
実は小林さん、以前ドイツ大使館で演奏したことがあります。ドイツとは縁があるようです。花の木の母屋はとても音がよく反響し、よくライブに使われるそうです。小室等さんが日本で5本の指にはいる音の良さと評していたと女将が言っていました。
音響のスタッフの話によるとここの土間がいいらしい、また古い日本家屋の作りが適度に音を吸収して良い音になるとのこと。
小林史佳さんの三味線インプロビゼーション(即興演奏)が始まります。
弦と指がこすれる音が駒を伝わり、皮を震わせた音が本体の中を反響し、建物全体で響き渡る。撥が弦をはじく音が私の頭蓋骨にダイレクトに伝わってくる。
これぞ生演奏の醍醐味です。
とても素晴らしい演奏でした。
さあ、会場へ出発です。
つづく・・・・・・。
次回(第2回)は風の風伝~小林史佳+須藤雲栄 ライブ in 佐渡 【その2】です。
http://shamisenplayer.com/
津軽三味線奏者 小林史佳 公式サイト
http://ameblo.jp/fproject/
小林史佳F'projectのブログ
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