梅 佳代「じいちゃんさま」を図書館から借りてきて|ソガネットドットコムBLOG

2008年10月06日

梅 佳代「じいちゃんさま」を図書館から借りてきて

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阿賀野市立図書館へ行って梅 佳代の「じいちゃんさま」という写真集を借りてきました。
この図書館には2007年木村伊兵衛写真賞を受賞した梅 佳代の「うめめ」もあるし、最近の受賞作でいうと、 中野正貴「東京窓景」、本城直季「Small Planet」、 岡田敦「I am」、志賀理江子「CANARY」なんかもあってみんな借りて見ました。阿賀野市立図書館には熱心な写真ファンがいてリクエストしてるのかな?
というわけで、梅 佳代ですが、私のとても好きな写真家です。メディアに出る機会も多いので知ってる方も多いと思います。テレビ出演では「情熱大陸」「トップランナー」「視点・論点」などに出ているのを見ました。特に偶然NHKの「視点・論点」に出てるのを見たときは正直ぶっ飛びました。
梅 佳代さんの撮影スタイルはかわいいシールを沢山貼ったCanonEOS5というフィルムカメラ、50mmレンズ(デジタルに換算すると35mm位)を使用、Pモードでしか撮らない。写真には日付が入っているといったもの。「被写体との距離感を大事にするので50mmを使う。ズームはずるい気がする。」と言い、Pモードはプログラムモードではなくて「プロフェッショナルモード」なのだという。露出補正は写真学校で習ったけど、使ったことは無いらしい。
梅 佳代の写真の特徴は「シャッターチャンス」これにつきるとおもいます。そして、「被写体(人物)と撮影者(梅 佳代)との距離感」。親密な距離感からよそよそしい距離感までそこには確かに距離感を感じることが出来ます。何よりも、写真に作者の思いが感じられます。とくにこの「じいちゃんさま」には。
梅 佳代の写真は一昔前のおしゃれな「ガーリーフォト」とは全く違う、しいて言えば初期のアラーキー(荒木経惟)のような写真といったらよいでしょうか、「じいちゃんさま」のページをめくりながら、アラーキーの「センチメンタルな旅・冬の旅」みたいな結末になるんじゃないかと一瞬思ったのですが、そんなことにはなりませんでした。そこが梅 佳代のオリジナリティーでありおそらくこの写真集のテーマであり、アラーキーとは違うところです。
比べるのはおこがましいですが、普段私が撮ってる写真のスタイルとは正反対です。だからこそ、魅力を感じるというか、大好きなのかもしれません。

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梅佳代を知らない方へ
ほぼ日刊イトイのインタビュー
をご覧下さい。No1からNo5まであるので、全部読んでね。
笑えるというか、目からうろこです。

comments

>「被写体(人物)と撮影者(梅 佳代)との距離感」
これって、難しいですよね・・・。
なかなか近づけないです。
さすが、プロですね。

今度私もこの人の写真集見てみたいと思います。

サッシーさん、
>「被写体(人物)と撮影者(梅 佳代)との距離感」
というところの距離感とは物理的な距離感という意味でもありますが、「メタファーとしての距離感」という意味でもあるのです。例えば、ぼくときみの間には何万年光年もの溝が横たわってるかもしれない。
梅 佳代さんはとぼけたこと言って煙に巻いてますけどほんとはどうなんでしょうね。天才なのか、計算なのか?

アゴスさん

こんばんは!

「うめ かよ」さんとと言うかたはかなりの有名な方なんですね・・・・・。

>CanonEOS5というフィルムカメラ、50mmレン>ズ

カメラがかっこいいです・・・。

>、「被写体(人物)と撮影者(梅 佳代)との距>離感

50mmレンズだとかなり下がらないと写真のように写らないと思います。

と言うことは距離を取るほうなのかな???

アゴスさんの写真も素敵です(∩.∩)

溶射屋さん、
 木村伊兵衛写真賞を受賞した超有名なプロの写真家です。
フィルムカメラの50mmの画角はデジタルカメラでは35mmと同じくらいです。ですから、溶射屋さんがNikonD80で50mmのレンズを使う場合に比べて、少し広い画角ということになります。デジタルでは35mmのレンズを使った場合と同じ画角です。ただ、ファインダーで見る大きさと実際の大きさの関係はフィルムでもデジタルでも50mmの見え方は同じです。実際目で見る大きさより少し小さいくらいです。ただデジタルの場合見える範囲がせまいのです。とてもややこしいですけど。
 フィルムカメラの50mmで撮っているということは、アップは近づいて、引きの画面は下がってという基本に忠実な撮り方をしているということだと思います。つまり、それが距離感だということですね。

アゴスさん
こんばんは・・
ご無沙汰してます。
梅かよさん・・
アゴスさんは、勉強家ですね。
出来る方は、それ以上にと勉強されるのですよね。素晴らしいです。
>写真に作者の思いが感じられます。とくにこの「じいちゃんさま」には。
きっと、心打つ写真なのでしょうね。
今度、気をつけて見るようにします。

おはようございます。

良い写真を撮れるようになるには、優れた写真集や作品を見るということはたいへん有効だと思います。

私もかけ出しの頃は、『この写真、イイ!』と思ったポーズやアングルをまねたりして、そうするとだんだん自分なりの写真が撮れるようになってきて、応用もできるようになってきたように思います。

50㎜は見た目に一番近い写真が得られます。
ロバート・キャパも50㎜の人でしたね。

  • 6 TWINS
  • 2008年10月07日 10:48

もちこさん、
いえいえ、勉強家なわけではありませんよ。
ただ、好きなだけです。写真集や画集を見るのが好きなのです。ただそれだけです。

TWINSさん、
そうですね。すべてのアート(アートとは限りませんが)は模倣から始まる。・・・・ですね。
それに、テクノロジーが発達して便利になっても、基本は大事ですね。

こんばんは。
アゴスさんが紹介してるサイトを全部読みました。
なるほどなぁ…と読んでて凄く勉強になりました。
今度機会があったら私も梅佳代さんの写真集を見てみたいと思いました。

こんにちは。
うめかよさん、いいですよね。
情熱大陸とトップランナーで見ました。
私も、人物写真を撮りたいのですが、
家族も写真に写るの嫌がるし、他の被写体も気軽に撮れないし。
やっぱり、人間性がよく無いと人の写真は、難しいのでしょうかね。
人間性を磨きます。
(^_^)

TWINSさんの写真の良さも、撮る人の人間性が良いからだと、今、気付きました。

  • 10 あい
  • 2008年10月08日 11:34

とうふ屋~tsuyo~ さん、
面白かったし、ためになりましたよね。
写真の本質みたいなものがおぼろげながら分かったような気がします。

あい さん、
もしかしたら、人間性がよくない人の写真はそれなりの面白い写真が撮れるかも知れません。たとえば、孤独と絶望しか感じられない写真とか・・・。
TWINSさんは中学、高校時代の同級生で、同じ地元で商売をしている人です。よい人なので、これからも宜しくお願いいたします。

こんばんは
この本の評判はフォトコン雑誌で有名ですよね。
それをしっかり読むアゴスさん
 さすがです!

加藤忠宏さん、
ありがとうございます。
写真集といえども「読む」ことは大切なのですね。

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