2009年06月13日

1Q84

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このブログには「読書感想」というカテゴリーがあるので、
久々にそれみたいなものを・・・・・。

まず、過去2ヶ月で読んだ本。

『ゴールデン・スランバー』(伊坂幸太郎)
このミス2009第1位、2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞。

『ジョーカー・ゲーム』(柳 広司)
このミス2009第2位、第30回吉川英治文学新人賞、第62回日本推理作家協会賞。 
『トーキョー・プリズン』(柳 広司) 

『新世界より』(貴志祐介)
このミス2009第5位、第29回日本SF大賞。
     
『カラスの親指』(道尾秀介)
このミス2009第6位、第140回直木賞候補、第62回日本推理作家協会賞。 
『ラットマン』(道尾秀介)
このミス2009第10位。 
『シャドウ』(道尾秀介)
このミス2007第3位、第7回本格ミステリ大賞。

『チャイルド44』(トム・ロブ・スミス)
このミス2009第1位、2008CWA賞受賞。

『イノセントゲリラの祝祭』(海堂 尊) 

どれも、どうってことはないミステリー小説。
ミステリーなので、ネタバレになるので感想は書けません。
ただし、「イノセントゲリラの祝祭」(シリーズものの為)を除いてすべて読んで損はないです。

この中で一番面白かったのは「新世界より」です。

それと、なぜか道尾秀介が多かったです。道尾秀介って文体が伊坂幸太郎に似ている気がする。
そういえば、伊坂幸太郎って初期のころ村上春樹に文体が似ているって言われてたっけ。
ぜんぜん違うけど。

・・・・というわけで、村上春樹。

待ちに待った最新長編「1Q84」。
発売日の3日後くらいに買いに行ったら、最後の2冊(1・2)でした。ラッキー!

「海辺のカフカ」のとき、「一切先入観なしで読みたかった。」という読者の声が多く、
事前広告では本のタイトルのみで何の情報もなく、ネットでいろんな推測が飛び交いました。
それと同時にAmazonで予約が殺到、完売という予期せぬ事態が・・・。
基本的に7年ぶりの長編ということ、イスラエルでの歴史的演説などもあいまって、
読者の関心と飢餓感がマックスに達し、すごく売れたのはニュースなどで報道されてますとおり。

ということを踏まえて、一切感想は書きません。

・・・・って、読書感想じゃないじゃん。

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2008年10月06日

梅 佳代「じいちゃんさま」を図書館から借りてきて

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阿賀野市立図書館へ行って梅 佳代の「じいちゃんさま」という写真集を借りてきました。
この図書館には2007年木村伊兵衛写真賞を受賞した梅 佳代の「うめめ」もあるし、最近の受賞作でいうと、 中野正貴「東京窓景」、本城直季「Small Planet」、 岡田敦「I am」、志賀理江子「CANARY」なんかもあってみんな借りて見ました。阿賀野市立図書館には熱心な写真ファンがいてリクエストしてるのかな?
というわけで、梅 佳代ですが、私のとても好きな写真家です。メディアに出る機会も多いので知ってる方も多いと思います。テレビ出演では「情熱大陸」「トップランナー」「視点・論点」などに出ているのを見ました。特に偶然NHKの「視点・論点」に出てるのを見たときは正直ぶっ飛びました。
梅 佳代さんの撮影スタイルはかわいいシールを沢山貼ったCanonEOS5というフィルムカメラ、50mmレンズ(デジタルに換算すると35mm位)を使用、Pモードでしか撮らない。写真には日付が入っているといったもの。「被写体との距離感を大事にするので50mmを使う。ズームはずるい気がする。」と言い、Pモードはプログラムモードではなくて「プロフェッショナルモード」なのだという。露出補正は写真学校で習ったけど、使ったことは無いらしい。
梅 佳代の写真の特徴は「シャッターチャンス」これにつきるとおもいます。そして、「被写体(人物)と撮影者(梅 佳代)との距離感」。親密な距離感からよそよそしい距離感までそこには確かに距離感を感じることが出来ます。何よりも、写真に作者の思いが感じられます。とくにこの「じいちゃんさま」には。
梅 佳代の写真は一昔前のおしゃれな「ガーリーフォト」とは全く違う、しいて言えば初期のアラーキー(荒木経惟)のような写真といったらよいでしょうか、「じいちゃんさま」のページをめくりながら、アラーキーの「センチメンタルな旅・冬の旅」みたいな結末になるんじゃないかと一瞬思ったのですが、そんなことにはなりませんでした。そこが梅 佳代のオリジナリティーでありおそらくこの写真集のテーマであり、アラーキーとは違うところです。
比べるのはおこがましいですが、普段私が撮ってる写真のスタイルとは正反対です。だからこそ、魅力を感じるというか、大好きなのかもしれません。

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梅佳代を知らない方へ
ほぼ日刊イトイのインタビュー
をご覧下さい。No1からNo5まであるので、全部読んでね。
笑えるというか、目からうろこです。

2007年12月30日

読んだ後、どうしても、もう一度読み返さずにはいられない本

「ハサミ男 」殊能 将之
を読みました。
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年末でいろんなことで忙しいのに、最近夜遅くまで本を読むことが多いです。
人間、忙しいときは脳内でドーパミンが沢山分泌されて集中力が増すのかもしれない。

ある種のミステリー小説には読んだ後、どうしても、もう一度最初から読み返さなければならない本があります。この「ハサミ男」もそのなかの一つでした。具体的な内容はネタバレになるので一切しませんが、非常に精緻で綿密な構成のミステリーです。
この「ハサミ男 」はほとんど徹夜で一気に読んでしまった。読了したのは夜明け近くだというのに、もう一度最初から読み返したくなってしまう。(睡魔に襲われそのまま寝てしまいましたが・・・。)
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ある種のミステリーとはいわゆる「叙述トリック」のことなのですが、以下はそれを使ったミステリーで、今まで読んだもので特に面白かった本です。

殺戮にいたる病
我孫子 武丸

葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午

アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎

「叙述トリックを使ったミステリー」いうのは構造上、絶対に映画化不可能と思われるのですが、
「ハサミ男 」と「アヒルと鴨のコインロッカー」は映画化されています。見てないですけど。
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2007年09月16日

★家日和(いえびより):その2、家においでよ

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「家日和」家日和と書いていえびよりと読む。
04年「空中ブランコ」で直木賞を受賞した、奥田英朗という作家の短編集。
読書感想、その2

この短編集の3番目の「家においでよ」という短編について。
主人公は奥さんと2人暮らしの30代のサラリーマン、共働きで子供無し。マンション暮らし、ゴルフもギャンブルもしない。酒も付き合い程度、蓄えもある。理由は不明だが、奥さんは家財道具ほとんど持って出て行った。理由は詳しく語られていないが別居することになったらしい。
がらんとした部屋で途方にくれるわけでもなく。家具や電化製品を買い揃えたり、料理を作ったり、なんかとても楽しそうな主人公。実家からコレクションしていたレコードを運んできたり、オーディオセットやホームシアターセットをそろえたり、「男の理想の部屋」を嬉々として作り上げていく。友人も毎日遊びに来て・・・・・。
奥さんと別居することになる話だが、不思議なことに深刻度など微塵も無く、楽しいお話。ああいいなおれもそういうのしたいなと思ってしまいます。
私にとってはこのBLOGがそういうものに近いのかな、なんて思ったり。

2007年09月15日

★家日和(いえびより):奥田英朗を読んだ。

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「家日和」を読んだ。家日和と書いていえびよりと読む。
04年「空中ブランコ」で直木賞を受賞した、奥田英朗という作家の短編集。
表紙の写真は以前このブログでも紹介した本城直季の写真。

最初の「サニーデイ」はヤフオクにハマる40代の主婦を描いた短編。
子供が大きくなって使わなくなってしまったキャンプ用のテーブルをネットオークションで売ったのがきっかけで、しだいにネットオークションにはまっていく。その課程が「なるほど」と共感できる。(ヤフオクのシステムはすごいと思う。人の心理をつかむシステムだと思う。)ひとつ売るごとに生き生きとなっていく主人公。そして、だんなに黙って勝手にしまってあった古いギター(YAMAHAFG180)を売ってしまったら、思わぬお宝で、高値が付き、調子に乗って古いレコードプレイヤーを出品したらこれが・・・・・
というある意味なんてことはない話(オチも含めて)。
私もヤフオクを使いますし、ネットショップもやってます。ネットの向こう側を垣間見たような気がして、興味深く読みました。その他の短編については省略。


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